[メイン]
語り手 :
ねぇ、あなたは大きくなったら何になりたい?
あたしはね、大きくなったら─────。
子ども頃夢見た姿を、今あなたは覚えているでしょうか。
叶っている人もいれば、地に膝を着いた人もいることでしょう。
夢を諦めるということは、悪いことなのでしょうか。
生きていく中で、仕方のないことというのは必ず起こるもの。
それでもまだ夢があなたの胸の中にあるなら。
ふしぎもののけTPG ゆうやけこやけ『歌に魂を乗せて』
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 遠くを眺めれば山か森しか見えず、山の上から、池から、細い川が流れる。
[メイン] 語り手 : 近くを見れば、家の数よりも多い田んぼと畑。所々に車も通れない細い道に、剥き出しの土の道もあちこちに。
[メイン] 語り手 : 街灯の無いこの町は、子ども達の遊ぶ声、犬の声、猫の声、鳥たちの声、虫の声。
[メイン] 語り手 : 水が流れる音、風が吹く音。人よりも賑やかなものがたくさんある町。
[メイン] 語り手 : そんな町で、あなた達はゆったりと、のんびりと過ごしていた。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 場面『人よりもたくさんの生き物が住む町』 場所:樫見神社 時間:昼
[メイン] 語り手 : あなた達は今、樫見神社という、願えば叶うこともあるかもしれない、という噂のある神社にいる。
[メイン] 語り手 : その正体は、変化達の拠り所。ここで、困った人達の願いを聞き、それを叶えるために頑張る変化がいるかもしれない……というのが種明かしだ。
[メイン] 語り手 : そしてこの神社には、「樫見」と呼ばれる、年長者の狐の変化が棲んでおり、変化達の相談に乗ったり、暇つぶし相手になってたりしている。
[メイン] 語り手 : あなた達と樫見の関係?それは、あなた達が決めることだ。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : その日は、じめじめとした暑さが肌にひっつくような、夏の日。
[メイン]
樫見 :
もふもふの髪が、熱気を籠らせてしまう。
汗がだらだらと止まらない、丸眼鏡ともふもふな黄色の髪の少女、樫見は。
神社の奥の縁側で、だらだらとしていた。
[メイン] 樫見 : 「いや~今日も暑いねぇ変化ちゃん達~」
[メイン]
博麗霊夢 :
「こやぁ~ん」
樫見の言葉を聞き流しながら日陰でのんびりとしている
[メイン] 岬明乃 : 「暑いよぉ~~~~」
[メイン]
ゾロリ :
「むほほ…w」
かわい子ちゃん達を観察しながらごまんえつ
[メイン] 岬明乃 : ぐで…と軒下に倒れ伏している
[メイン] 樫見 : 「あははは~!もうみんなすっかり夏バテってやつだねぇ~、よーし、それじゃあ……」
[メイン]
博麗霊夢 :
「アンタっていっつもスケベな眼よね…」
ゾロリをジト目で見ながら
[メイン]
樫見 :
「スイカでも持ってこようかな?」
にやりと笑いながら、よっこらしょと立ち上がる。
[メイン] 岬明乃 : 「!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「!」
[メイン]
樫見 :
「ほれほれ、そこにいる狐もどうじゃ~?」
ゾロリに手招きするように。
[メイン] ゾロリ : 「!」
[メイン] 岬明乃 : 「スイカ!やったー!」
[メイン] ゾロリ : 「デートならぜひご同伴に預からせて頂きますよ、レディ…」
[メイン] 岬明乃 : 先ほどまでの姿が嘘のようにぴょんと飛び跳ねて
[メイン]
博麗霊夢 :
「ふん、悪くない選択ね」
とてとてと四つ足で樫見のもとへ
[メイン]
樫見 :
「あっはっはっはっ、いいねぇデート、私はもう年だからねぇ、もうちょっと若い子達と遊んだ方がいいんじゃないかい~?ね~?」
足元に近寄った霊夢の頭を撫でながら。
[メイン] 樫見 : 「ほれほれ岬ちゃんも、ぴょんぴょん跳ねてるともっと体温上がっちゃうよ~?」
[メイン]
博麗霊夢 :
「ンン~……」
ぶすっとした顔をするが、その手から逃げはしない
[メイン] 岬明乃 : 「うっ…」
[メイン] 岬明乃 : 早速熱くなってべしゃりと地に落ちた
[メイン] ゾロリ : 「俺様は歳なんて評価対象にしてないぜ!勿論博麗ちゃんも岬ちゃんとももっとお近づきになりたいけどな〜」
[メイン] 樫見 : 「あははは~!ほ~れ言わんこっちゃ~、おっ、キミも中々欲張りさんだねぇ、でもいいことだ、あっはっは~!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「なーに言ってんだか……それにゾロリ、アンタ最近は人間の女の子にお熱じゃなかった?」
[メイン] 樫見 : 岬を見てくすりと笑いながらも、霊夢の頭を再度撫でてから、神社内に並置されている家屋の台所まで気怠そうに向かっていく。
[メイン] ゾロリ : 「そりゃあ俺様が求めるのは”美しい子”ってだけだからな…ニンゲンもキツネも子猫ちゃんだって守備範囲だぜ」
[メイン] 岬明乃 : 「そうだよ~、あんまり愛を振りまいてると怖いことになるかもよ~」
[メイン]
博麗霊夢 :
「刺されるわよ」
ニンゲンってそういうことするらしい。風の噂で聞いた。
[メイン]
岬明乃 :
「刺されるかはわからないけど、安全確認は大事だよっ!」
顔だけ持ち上げて
[メイン] ゾロリ : 「まあ心配するな、俺様は両手じゃなくて最後に1本の花が片手にあればそれでいい…だろ?」
[メイン] ゾロリ : 「1人いい人見つけたら落ち着くさ」
[メイン]
博麗霊夢 :
「ふふん、見つかると良いわね。ほどほどに応援しておくわ」
一応同じ種族ではあるが
あんまり興味無さそうに
[メイン] 岬明乃 : 「見つかること応援してるよ~」
[メイン] 語り手 : ─────すると、滅多に人が来ないこの神社の境内に、人の気配が。
[メイン] 博麗霊夢 : 「_________待って」
[メイン]
語り手 :
ちゃりん、ちゃりん、と小さな金属の音と。
ぱん、ぱん、と手を打ち合わせる音。
[メイン]
博麗霊夢 :
「誰?」
じろり、と
境内の方を振り向く
[メイン] 博麗霊夢 : 「……あ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「お客さんだわ」
[メイン] 岬明乃 : 「参拝者さんだ~、珍しいね」
[メイン]
ゾロリ :
「珍しいなァ…なんの用事だ?」
[メイン]
岬明乃 :
「どうする?見に行ってみる?」
興味津々といった様子
[メイン] 博麗霊夢 : 「とーぜん!”お願い”をしに来たの濃厚よ!」
[メイン]
ゾロリ :
「俺様は当然同行するぜ!観測しない内はかわい子ちゃんの可能性が無限にあるんだからな」
既に若干の妄想に入っている
[メイン] 博麗霊夢 : ぱたぱたと賽銭箱の方へと寄っていく
[メイン] 岬明乃 : 見た目とは裏腹に軽快に軒下を駆けて行く
[メイン]
女 :
霊夢が覗き込んだ先にいたのは、少し髪を赤に染めた女であった。
髪先が痛んでいるのか、少しぱさついており、顔色も良い…とは言えない状態で。
[メイン] ゾロリ : 「むほほw」
[メイン] 女 : 「……お願いします……家内安全……商売繁盛しますように……」
[メイン] 女 : 「………ごほっ……」
[メイン] 岬明乃 : 床下に潜り込んで、じっと聞き耳を立てている
[メイン] 女 : 炎天下の中。女は目を瞑り、長時間、神への祈りを捧げた。
[メイン]
博麗霊夢 :
「家内安全、商売繁盛…」
小さく呟くように復唱
[メイン] 女 : 滲むような汗が、女の首筋をいくつも伝っていった後。
[メイン] 博麗霊夢 : (ふーん、なんかお店でもやってるのかしら)
[メイン] 女 : 頭を深々と下げ、後にしていった。
[メイン]
樫見 :
「─────お~い変化ちゃん達~スイカだよ~」
そうこうしていると、台所の方から声が聞こえ、カットされたスイカを皿に乗せ運んでくる樫見の姿が。
[メイン] 樫見 : 「およ?どうしたんだい?境内の方をこそこそ見つめちゃってて」
[メイン] 樫見 : ことりと、水気を多く含み、赤身の濃いカットされたスイカを置きながら。
[メイン]
岬明乃 :
「あっ、スイカ!」
そっちに気を取られて駆け寄りつつ
[メイン]
ゾロリ :
「いやァ…珍しいことにかわい子ちゃんが1人参拝に来たんだがよ」
博麗の方を向き話を引き継がせる
[メイン]
博麗霊夢 :
「客よ、客!なんか大儲けしたいって!」
樫見の足元にすり寄り、雑に解釈して伝える
おそらく間違っているだろう。
[メイン] 博麗霊夢 : 「もう帰っちゃったけど!」
[メイン] 岬明乃 : 「…そうだった!すっごい熱心な参拝者さんが来てたんだよ!」
[メイン]
樫見 :
「はりゃりゃ!参拝客かい、それに大儲け?」
足元にすり寄ってきた霊夢の頭を撫でながら。
[メイン]
博麗霊夢 :
「こやぁ~ん」
撫でられてふにゃける
[メイン] 樫見 : 「ほほ~~?おっとっと、ごめんよ岬ちゃん、はいどうぞ~」
[メイン] 岬明乃 : 「わーい!」
[メイン] 樫見 : スイカを乗せたお皿を差し出すように。
[メイン] 岬明乃 : 早速スイカにかぶりつく
[メイン] 樫見 : 「ふふふ~、すまほ?とか、色んな便利な機械が揃ってるこの時代にも、ちゃ~んと神様に頼ってくれる人がいるもんなんだねぇ~」
[メイン] ゾロリ : 「商売繁盛とか言ってたな…毛も良くなかったし貧乏暮らしでもしてるのかもな」
[メイン] 博麗霊夢 : 「……そういえばあんまりいい身なりには見えなかったわね。よわっちそうだったし」
[メイン] 博麗霊夢 : 「すまほも持ってないんじゃない?」
[メイン]
岬明乃 :
「ん~~~~、美味しい~~~」
尻尾をゆらゆら揺らしながらスイカを食べつつ
[メイン]
博麗霊夢 :
「…私も食べよっと」
スイカをしゃくしゃくと食べ始める
[メイン] 樫見 : 「ありゃりゃ、そこまでかい……貧乏は不幸の連鎖を呼んじゃうからねぇ……」
[メイン]
岬明乃 :
「そうだね~…なんだか疲れてそう?だったかも」
口元にタネを付けて話に参加する
[メイン] 樫見 : 樫見もちびちびとスイカを食べながら。
[メイン] 樫見 : 「……まぁ~、貧乏となっちゃうと、こればかりは私達の力じゃどうしようも無いことだけど……」
[メイン] 樫見 : 「……放っておけない、と言ったとこかな~?」
[メイン] 樫見 : ニマニマと、3人を見やりながら。
[メイン] 博麗霊夢 : 「ふふん!せっかくの客を逃す手は無いわよ!こういう積み重ねが、私たちの地位向上にもつながるのよ!」
[メイン]
岬明乃 :
「気になるよね、久しぶりにお客さん見たし」
親なし猫としては、彼女の家内安全という言葉も気になったりしてた
[メイン]
ゾロリ :
「女の子と知り合う絶好の機会だぜ!」
(あの歳の子がおっちんじまうってのも悲しいしなァ…)
[メイン]
語り手 :
─────ちゃりん。
境内の方でまた、音が。
[メイン] 博麗霊夢 : 「!!」
[メイン]
ゾロリ :
「!
さっきのかわい子ちゃんが忘れ物でもしたか?」
[メイン] 岬明乃 : 「あれ?またお客さん?」
[メイン]
男の子 :
ゾロリの期待も空しく、境内には、肌の白い男の子が境内の前に立っており。
手を合わせながら……。
[メイン] 男の子 : 口を、ぱくぱくと……。
[メイン] 語り手 : ─────へんげ判定、難易度は5
[メイン] 博麗霊夢 : 私が4あるから想いを使いましょうか
[メイン] ゾロリ : !
[メイン] 博麗霊夢 : 1d0+4>= 【へんげ】判定
[メイン] 博麗霊夢 : 足りないので、想いを1消費するわよ
[メイン] ゾロリ : 難易度が入力されてないな…
[メイン] system : [ 博麗霊夢 ] 想い : 9 → 8
[メイン] 岬明乃 : 1d0+1>=5 【へんげ】判定 (1D0+1>=5) > 0[0]+1 > 1 > 失敗
[メイン]
博麗霊夢 :
難易度🌈
すまんクス
[メイン] 博麗霊夢 : というか「けもの」じゃなくて「へんげ」なんだ…
[メイン] 語り手 : へんげだ
[メイン]
博麗霊夢 :
へ~!
[メイン] 博麗霊夢 : というわけで霊夢は少年の言葉を聞こうとするわよ
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
霊夢のみに、聞こえた。
いや、聞こえたというには、その声がすぐ傍で聞こえるようで。
[メイン] 男の子 :
[メイン] 男の子 : 「ほのかお姉ちゃんの夢が、叶いますように」
[メイン] 男の子 :
[メイン] 男の子 : そう告げ、先程の参拝者と同じように頭を深々と下げると、神社をゆっくりと去っていく。
[メイン] 博麗霊夢 : (……?)
[メイン]
博麗霊夢 :
違和感。
けものの聴力で聞き取ったというよりも、もっと傍で…
[メイン] 博麗霊夢 : 「って、もう行っちゃった!」
[メイン]
岬明乃 :
「ふにゃ…」
聞き耳を立てていたが、まるで聞こえず
[メイン] 博麗霊夢 : 「なによ!さっきの子も今のガキンチョも、こんな神社に長居は無用だっていうの?ふんだ!」
[メイン]
岬明乃 :
「なにをお願いしてたんだろ…?」
わからないことはどうしても気になってしまう
[メイン] ゾロリ : 「そりゃお願い終われば帰るんじゃないか?他に何がある訳でもなし」
[メイン]
博麗霊夢 :
「…アンタたちは聞き取れなかったの?」
あの距離感なら、そんなはずはないと思うのだが…
[メイン] 博麗霊夢 : 彼が言っていた言葉をそのまま伝えるわよ
[メイン] ゾロリ : 「ン〜?いや全く聞こえなかったぜ。そもそも願いって口に出さないとか聞いた気がするしそういう事じゃあないのか」
[メイン]
岬明乃 :
「霊夢聞き取れてたの!?」
「それにしても、他の人のお願いかぁ…」
[メイン]
ゾロリ :
「”ほのかお姉ちゃん”…ね、1度会ってみたいぜ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ま、依頼がいっぱいあるのは悪くないわねー!」
[メイン] ゾロリ : 「いやぁ…一日に2回も来るなんて悪いことの兆しだと思うぜ…明日は大雪かもな」
[メイン] 岬明乃 : 「雪!?」
[メイン] 岬明乃 : 「……いや、でも…こんなに暑いなら雪も恋しいなぁ…」
[メイン] 岬明乃 : しばらく雪景色を思い出して和んでいたが
[メイン] 岬明乃 : 「…そうじゃなかった!雪が降るわけないし、今は2人のお願いが気になる!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「今週はずっとカンカン照りよ!それより汗水垂らして働くわよ!ニンゲンたちを見習ってね!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「とりあえず…あの二人について調べてみる?」
[メイン]
ゾロリ :
「いつの間にか俺達も働かされることになってるぜ!?」
「だが博麗ちゃんのお誘いとあらば断れねーな」
[メイン] 岬明乃 : 「私も気になるし一緒に調べるよ~!」
[メイン] 岬明乃 : 好奇心旺盛な猫としては、お姉ちゃんのお願い、なんて不思議なお願いをみすみす見逃すわけにはいかない
[メイン] ゾロリ : 「そうだな…調べるっつってもどこから探したもんか」
[メイン] 博麗霊夢 : 「……具体的な手掛かりは…」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ほのか、しかないわね」
[メイン] ゾロリ : 「売れてない店でも探してみるか?と言っても何件あるかも分からねえか…」
[メイン] 岬明乃 : 「こっそりついて行けばよかったなぁ…」
[メイン] 博麗霊夢 : 「……」
[メイン] 博麗霊夢 : 「今からでもついていけないかしら?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「まだ時間経ってないわ!」
[メイン] ゾロリ : 「確かに男の方は追いつけるかもしれないな!」
[メイン] 岬明乃 : 「そっか!匂いを辿れば…!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「よしっ、決まりね!!」
[メイン] 博麗霊夢 : 男の子の方を追ってみるわ!判定どうなる?
[メイン] 語り手 : OK、では……
[メイン] 語り手 : これはへんげ判定、難易度は20
[メイン] ゾロリ : 俺様はおねーさんの残り香を嗅ぎてェな…
[メイン] 博麗霊夢 : これは…
[メイン]
語り手 :
OK、では
けもの判定 難易度5
[メイン]
博麗霊夢 :
(ぜんぜん辿れなくね…?)
霊夢はめんどくさくなったのでジャリを追うのはやめた。
[メイン] ゾロリ : 想いを3使うぜ
[メイン] system : [ ゾロリ ] 想い : 10 → 7
[メイン] 語り手 : OK
[メイン] ゾロリ : 1d0+2+3>=5 【けもの】判定 (1D0+2+3>=5) > 0[0]+2+3 > 5 > 成功
[メイン]
語り手 :
ゾロリは、毛先の痛んだ女の残り香を覚えた
これによって街中に出て、その匂いが最も濃い部分へ向かうことができる。
[メイン]
ゾロリ :
「男の方は匂いが全く残ってねえ…妙だな
かわい子ちゃんの匂いならしっかりと嗅ぎ取れるんだが」
[メイン] 博麗霊夢 : 「よ、よくやったわ!」
[メイン] 岬明乃 : 「私も…あの男の子の匂い、全然わかんないや…?」
[メイン] 岬明乃 : 「でも、女の人のほうがわかるなら…!」
[メイン] 岬明乃 : 境内から外へ駆け出して
[メイン] 岬明乃 : 「まずはそっちから探そ!何か手掛かりが見つかるかもしれないし!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「あっまちなさーい!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「……樫見 !そういうわけだから、私たち行ってくるわよ!!」
[メイン] 樫見 : 「ふふふ、元気だねぇ変化ちゃん達は」
[メイン] 樫見 : 「ん、分かったよ~、あ、でも……」
[メイン] 博麗霊夢 : 同じく岬明乃の方へ駆けていく
[メイン] 樫見 : 「くれぐれも怪我だけは、しないようにね~」
[メイン]
ゾロリ :
「オイオイ、レディファーストと言えど俺様より前に出てどうするんだ!?」
急いで後を着いていく
[メイン] 樫見 : 手をひらひらと、その背へと振り、微笑を向けながら送る。
[メイン] 樫見 : そして、くしゃりとまた、スイカをひと齧り。
[メイン] 樫見 : 「いやぁ~、夏は本当に、人も動物も皆、調子が崩れちゃう時期でもあるからねぇ」
[メイン] 樫見 : 「帰ってきた時にために、美味しい飲み物でも用意しよ~っと」
[メイン] 博麗霊夢 : そうして三匹のへんげたちは町へと繰り出していった。
[メイン] 博麗霊夢 : 灼熱とも言える真夏日、この獣たちは二つの依頼を無事解決できるのだろうか。
[メイン] 博麗霊夢 :
[メイン] 博麗霊夢 :
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] 夢 : 0 → 155
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] ふしぎ : 9 → 109
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] 想い : 8 → 63
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] 夢 : 155 → 0
[メイン] system : [ 岬明乃 ] 夢 : 0 → 155
[メイン] system : [ ゾロリ ] 夢 : 0 → 205
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] ふしぎ : 109 → 29
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] 想い : 63 → 19
[メイン] system : [ ゾロリ ] ふしぎ : 10 → 41
[メイン] system : [ ゾロリ ] 想い : 7 → 17
[メイン] system : [ 岬明乃 ] ふしぎ : 10 → 25
[メイン] system : [ ゾロリ ] 夢 : 205 → 0
[メイン] system : [ 岬明乃 ] 想い : 10 → 25
[メイン] 博麗霊夢 : 場面『けものどもの道』 場所:町への道中 時間:昼
[メイン]
博麗霊夢 :
しばらく駆け出していた岬と博麗だったが
ゾロリしか手がかりを知らないことを思い出し、歩調を緩めていた
[メイン]
博麗霊夢 :
そうして三匹のへんげは合流する
町へとてくてくと歩きながら
[メイン] 博麗霊夢 : 「……で」
[メイン] 博麗霊夢 : 「どう?まだ辿れそう?あのニンゲンの子」
[メイン] ゾロリ : 「結構近づいて来てるぜ…スンスン、ちょっと他の人の匂いも混じりつつあるけどよ」
[メイン] 岬明乃 : 「わかった!街の方向だしやっぱりお店を出してるのかも!」
[メイン]
博麗霊夢 :
「商売繁盛って言ってたものね…」
四つ足で獣道を進んでいく
[メイン] ゾロリ : 「とと…岬ちゃんはともかく俺様たちはそろそろ変身しといた方がいいんじゃないか?狐ってどうだっけな」
[メイン] 博麗霊夢 : 「おっと…」
[メイン]
博麗霊夢 :
ゾロリの声でふと前方を向くと
舗装された道が見えてくる
[メイン] 博麗霊夢 : 道路だ…ここから先は人間の生活圏
[メイン] 岬明乃 : 「そうだね、もう街だし」
[メイン] 博麗霊夢 : 「狐はアウトだと思うわよ。なんか…えきのこっくす?みたいな?ので警戒されてるわ」
[メイン] 岬明乃 : 「匂いのほうは私でも辿ってみるから、二人はバレないように!安全第一!」
[メイン] ゾロリ : 「えきのこ…なんだって?愛の障害物ってやつなのかなぁ…」
[メイン]
博麗霊夢 :
「多分キノコってあるし菌類なんじゃない?知らないけど」
自分で言い出したことなのにあんまり関心がなさそうである。
[メイン]
博麗霊夢 :
「さてと…」
そして霊夢は目を閉じ、集中すると…
[メイン] system : [ 博麗霊夢 ] ふしぎ : 29 → 27
[メイン]
博麗霊夢 :
「ヨシ!……じゃない!!」
[メイン] system : [ 博麗霊夢 ] ふしぎ : 27 → 25
[メイン] 博麗霊夢 : 「耳と尻尾残ってた…カンが鈍ってるわ」
[メイン]
博麗霊夢 :
ぼふんっ、と
二度ほど博麗霊夢の身体を白煙が包んだかと思えば
巫女服を着こんだ少女がそこに居た
[メイン] ゾロリ : 「どの姿でも可愛いぜ博麗ちゃ〜〜〜ん」
[メイン]
ゾロリ :
「んじゃ俺様も…」
木の裏に入り込み、一周すると
[メイン] 博麗霊夢 : 「なによ…アンタもさっさと変身しなさいよ~」
[メイン] system : [ ゾロリ ] 想い : 17 → 13
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「よし…完璧だね」
[メイン] system : [ 原ゆたか(ゾロリ) ] 想い : 13 → 15
[メイン] system : [ 原ゆたか(ゾロリ) ] ふしぎ : 41 → 39
[メイン]
博麗霊夢 :
「相変わらずカンっペキな変身ね…!」
完成度は高いため素直に好感触である
[メイン] system : [ 原ゆたか(ゾロリ) ] ふしぎ : 39 → 37
[メイン] 岬明乃 : 「いつ見てもニンゲンさんにしか見えないや…」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「でもこの姿だとあんまりモテないんだよね…子供に人気のいいニンゲンだったから勝ちまくりモテまくりのハズなんだけど…」
[メイン]
岬明乃 :
「そうなんだ…不思議だねぇ…?」
首を傾げて
[メイン] 博麗霊夢 : 「??? ニンゲンの価値観ってよく分からないわ…こんなにニンゲンのオスにしか見えないのに」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「美的センスってやつじゃないか?僕だって子猫ちゃん一人一人の毛並みとかしぐさをよく観察してるぜ」
[メイン] 岬明乃 : 「なるほど…でも子供には人気なんだよね?ニンゲンって不思議」
[メイン] 語り手 : そうしてあなた達が人間体となり、匂いの残りを辿っていくと……。
[メイン]
語り手 :
一軒の牛乳屋に到達した。少し古びたもので、年季を感じる建物だった。
そして、店横には、神社で見かけた髪の特徴と似た女性がおり。
[メイン] 女 : 「よい……しょっとっ……!!」
[メイン] 女 : 牛乳の空き瓶を敷き詰めたカゴを持ち上げて、店へと運ぼうとしていたが……。
[メイン] 女 : 「っ……!!や、ば……!」
[メイン] 女 : 足取りがふらついており、体勢を崩し─────。
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
紳士だから支えに行こうとするけど
間に合うのかな
[メイン] 博麗霊夢 : 「! あっ、あぶな…っ!」
[メイン]
語り手 :
OK
ではこれは、けもの判定5
[メイン] ゾロリ : 1d0+2>=5 【けもの】判定 (1D0+2>=5) > 0[0]+2 > 2 > 失敗
[メイン] 岬明乃 : 「あぶ…にゃー…!」
[メイン] system : [ ゾロリ ] 想い : 17 → 14
[メイン] 博麗霊夢 : とっさに声を出すも、駆け付けるには間に合わず
[メイン]
女 :
「─────!!……あ、れ……?」
重力に沿うように、倒れそうになったかと思えば……。
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
「おっとお嬢さん、大丈夫ですか?」
そっと駆け寄りカゴに手を添える
[メイン]
女 :
「あっ……!ご、ごめんなさい!あ、あははは~……みっともないところ、見せちゃいましたね」
申し訳なさげに眉をハの字にして、笑顔を見せて。
[メイン] 女 : 「ありがとうございますっ!」
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
「いえいえ、お易い御用です」
「もしよろしければこのまま僕が運びますよ」
[メイン] 女 : 「えっ!?そんなそんな!お客さんにそこまでしてもらうのは……!」
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
「うーんそうですね…
ではそこにねこちゃんがいるでしょう?彼女に牛乳を振る舞いたいのですが、1本サービスしてもらってもよろしいですか?」
[メイン] 岬明乃 : 「ふにゃ~~」
[メイン] 博麗霊夢 : (うわ~キザったらし…でもナイスよゾロリ!)
[メイン]
女 :
「猫ちゃん?……あ、本当だ~!かわいい~~~!」
へにゃりと笑って。
[メイン] 岬明乃 : 女性の足元に近づいて、脚に頬を擦り付ける
[メイン] 女 : 「それでしたら、ええ!構いませんよ!助けてもらったお礼ですから!」
[メイン] 女 : ふふふっ!と笑いながら、猫を癒された顔で見つめている。
[メイン]
博麗霊夢 :
「……いいの?商売道具じゃないの?」
機会を見計らって、自分もまたその店へと入っていく
[メイン] 女 : 「あ、いらっしゃいませ~!……って、あれ?お連れさんですか?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ええ、そんなところ」
[メイン]
女 :
「なるほど、でしたら……よっこら……せっとっ……!」
空き瓶の入ったカゴを定位置に置くと、お店の方へと入っていき。
[メイン] 女 : しばらくして、女が戻ってきて。
[メイン] 女 : 「おまたせしちゃいました~!ではでは、出血大サービスですよ~!」
[メイン] 女 : 新鮮なミルクの入った牛乳瓶を3本持ってくる。
[メイン] 博麗霊夢 : 「商売道具じゃないの!?」
[メイン] 博麗霊夢 : 受け取りつつ、困惑する
[メイン] 女 : 「あははは~~、いいんですよ~……最近あんまり、売れ行きも良くなくて」
[メイン]
女 :
「捨てちゃうことも、多いんです……」
悲しげにそう言って。
[メイン]
博麗霊夢 :
「……この店潰れそうなの?」
初対面ではあるが、ずかずかと踏み入った質問をする
この狐はそういった女である
[メイン]
女 :
「うひぇぇっ……」
図星な反応を見せる。
[メイン] 岬明乃 : 「にゃ~(建物も古いし、やっぱり儲かってないんだね…)」
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
「はふぅ…」
久々の人間体での肉体労働はやはり疲れる…
[メイン]
博麗霊夢 :
「ふーん、大変ねぇ」
そうだろな~と思いつつ、牛乳瓶の蓋を開けて
[メイン] 博麗霊夢 : 「ぐびっ!」
[メイン] 岬明乃 : 店の中をきょろきょろと見回しながら
[メイン]
女 :
霊夢が内装をぐるりと見渡せば、探る必要も無いくらいに、古びていることが一目瞭然に分かる。
田舎にある店らしいと言えばらしいが、あまりにも設備が古かった。
[メイン] 女 : 「!」
[メイン] 博麗霊夢 : ちなみに牛乳はおいしい?
[メイン] 女 : ちゃんと新鮮でおいしい!
[メイン] 博麗霊夢 : 「うんめェわァ~~~~!!!!」
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
「捨てると言うなら…ご好意に甘えさせていただきます」
グビッ!
[メイン] 博麗霊夢 : 「あっ」
[メイン] 女 : 「……………へっ?」
[メイン] 女 : 目を真ん丸にして、霊夢を見つめる。
[メイン] 博麗霊夢 : 一瞬、耳と尻尾が出かかったが
[メイン]
女 :
「……え?今、一瞬………」
目をごしごしと擦って。
[メイン] 博麗霊夢 : 「………どうかしたかしら?」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : ……知らんぷりしておこう。ツッコんでもヘンなことにしかならないだろうし
[メイン] 岬明乃 : 「にゃ…にゃ~!(もう霊夢ったら…それより私にもちょうだい二人とも!!)」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「ああそうでした、私たちがおこぼれに預かった側なのにお預けしてしまってすみませんね」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 皿を借りてミルクを入れますよ 来い
[メイン] 女 : OKです!
[メイン] 博麗霊夢 : トプトプトプッ!
[メイン] 岬明乃 : 「ふにゃ~(ありがと!)」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : ッウイ〜!
[メイン]
女 :
「わっ、ふふふ~……食いしん坊ちゃんな猫ですね~」
猫の鳴き声の方に反応し、霊夢のとぼけた内容については意識から逸れたようで。
[メイン] 岬明乃 : さっそく舌をちろちろ出して牛乳を飲み
[メイン] 女 : なでなでと、岬の首元を撫でてみる。
[メイン]
岬明乃 :
「みゃ~~~……」
目を細め気持ちよさそうな声を出す
[メイン] 語り手 : 岬はけもの判定3
[メイン] 岬明乃 : 1d0+3>=3 【けもの】判定 (1D0+3>=3) > 0[0]+3 > 3 > 成功
[メイン]
博麗霊夢 :
(明乃はこういうところ巧いのよね~)
牛乳をぐびぐびと飲みながら、その様子を観察する
[メイン] 語り手 : 女の体温が少し高いことが分かる。
[メイン]
岬明乃 :
「(美味しい牛乳にマッサージ…天国だ…)」
としばし堪能していたが
[メイン] 岬明乃 : 「…ふにゃ~?(あれ…この人、体温が高いや?)」
[メイン] 岬明乃 : ぺろぺろと女の人の指を舐めつつ、改めて体温が高いことを確認し
[メイン] 女 : 「きゃっ!……ふふふっ!くすぐったいよ猫ちゃん~、やったな~?」
[メイン] 女 : ごろごろと、顎元を擦る。
[メイン] 岬明乃 : 「みゃ~~~」
[メイン] 岬明乃 : またまたうっとりとした顔を浮かべてしまうのだった
[メイン] 女 : 「ではではサービスしたことですし~!お二人にはこの!酒井牛乳店の宣伝、是非ともお願いしますね~!」
[メイン] 女 : にこっ!と霊夢、ゾロリ?原作者に無邪気な笑顔を向ける。
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「ええ、次にあなたに会いに…いえ買いに来る時が楽しみです」
[メイン]
博麗霊夢 :
「宣伝~?いいわよ~」
[メイン]
岬明乃 :
「にゃ、にゃ~!(あ、待って!)」
お別れの雰囲気になったことを察し、獣語で二人に体温のことを伝える
鳴き声を上げすぎることになるので自制していたが、どうしても気になったのだ
[メイン] 博麗霊夢 : 「!?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「あ、な、猫ちゃんが寂しそうに鳴いてるわ~!(どしたの急に)」
[メイン] 博麗霊夢 : (…体温?)
[メイン] 女 : 「あらっ!」
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
「甘えたがりの子ですね〜よしよし」
(体温が高い…体調でも悪いんでしょうか?)
[メイン] 博麗霊夢 : 「…………」
[メイン]
博麗霊夢 :
霊夢は不意に
女の前へとずいっと歩み寄る
[メイン]
女 :
「わっ!?ど、どうしたの……!?」
びっくりして。
[メイン] 博麗霊夢 : 「んっ」
[メイン]
博麗霊夢 :
そのまま頭の高さを合わせるようにして
自分の額を彼女の額とくっつけた
[メイン]
女 :
こつりと当たった額から、霊夢は感じることだろう。
人の平常と言える体温よりも、数度高い温度が。
[メイン] 博麗霊夢 : (あちゃ~)
[メイン]
女 :
「は、はわわわわっ……!?」
目をグルグルさせている。
[メイン]
博麗霊夢 :
「……?何をそんなにあわててるの」
価値観の異なるへんげには、初対面にしてあまりに急接近しているという事は理解できておらず
[メイン]
博麗霊夢 :
「ねえ、アンタって酒井ほのか?」
仕舞いにはその直感で、突飛な質問もする始末
[メイン] 女 : 「へっ、はっ、だ、だって距離がぁ~………はっ!はい!私は……」
[メイン] 酒井ほのか : 「ほのかって言います……けど……あれ?」
[メイン] 酒井ほのか : 顔を赤らめたまま、小首を傾げて。
[メイン] 博麗霊夢 : 「ふぅーん」
[メイン] 酒井ほのか : 「どこかで……お会いしました、でしょうか……?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「そうとも言えるし、そうでないとも言えるわね」
[メイン] 博麗霊夢 : ゾロリと、明乃にも目配せして
[メイン]
酒井ほのか :
「へっ……!?どどどど、どういうこと~~~……!?」
目をぐるぐるさせながら。
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
「(なんだか見えてきましたね…)」
薄々予感はしていたものの…
[メイン] 岬明乃 : 「(ほのか…あの男の子言ってた人かな?)」
[メイン] 岬明乃 : 2人がここで繋がったことに驚きつつ
[メイン] 岬明乃 : 「にゃにゃにゃ~?(じゃあ、あの男の子もここにいるのかな?)」
[メイン] 博麗霊夢 : (そうかも…?)
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : (いやァ…匂いがしなかったって…”そういうこと”じゃないですか?)
[メイン]
酒井ほのか :
「………ゴホッ、ケホッ……」
突如、咄嗟に背を向けて咽て。
[メイン] 酒井ほのか : 「ご、ごめんなさい……えへへへ、少し、埃っぽいんですかね?」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「だ、大丈夫ですか…!?その、体が悪い時に行く…病院!病院には行かれないんですか?」
[メイン] 酒井ほのか : 「あ~~~~……病院は、その~…… ……通っては、いるんですけど、でも」
[メイン]
酒井ほのか :
「大丈夫です!ご心配おかけしちゃいましたね」
にこっ、と笑って。
[メイン] 博麗霊夢 : 「風邪じゃないんだ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ふぅーん」
[メイン]
岬明乃 :
「みゃ~~?」
心配そうな顔で見上げる
[メイン] 酒井ほのか : 「そ、そーですよー、埃っぽいだけでー、あははー」
[メイン] 博麗霊夢 : 「アンタが祈願すべきは病気平癒だったと思うけどね」
[メイン] 酒井ほのか : 「……………へ?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「なんでもないわ…」
[メイン] 博麗霊夢 : (それで、どうする?コイツ思ったより問題が多いわ)
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : (僕が一生かけて幸せにします!…っていう問題でもありませんしね…)
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : (商売繁盛…宣伝でもしますか?)
[メイン] 岬明乃 : 「にゃあ~~~(そうだね…もうちょっと詳しい事情を知りたいかも)」
[メイン] 博麗霊夢 : (ま、宣伝はしておいてあげるけど…もっとこう…根本的な…)
[メイン] 博麗霊夢 : しかし霊夢には思いつかなかった!
[メイン] 岬明乃 : 「みゃあ~、ふにゃーご(ニンゲンの商売って、儲かる儲からないに理由があるって聞いたよ)」
[メイン] 博麗霊夢 : (へぇ~!)
[メイン] 博麗霊夢 : 「……ま、あんまり無理はしない事ね。身体を壊したら元も子もないでしょ」
[メイン] 博麗霊夢 : (とりあえずここはいったん退くわよァ~~~!)
[メイン] 酒井ほのか : にこりと笑って。
[メイン]
酒井ほのか :
「………ありがとうございます」
それは、困ったような笑顔であった。
[メイン] 酒井ほのか : 「………またのご来店、お待ちしてますね?また、来てくれますか?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「え~~~~~~~?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「いいわよ~~~~~~~!!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「!!!!! えへへへへ、ありがとうございます!」
[メイン]
岬明乃 :
「にゃ~~」
同意するように鳴き声と尻尾を上げる
[メイン] 岬明乃 : そうして最後にほのかに近寄り…
[メイン] 岬明乃 : 【こころのぞき】を使ってみよう!
[メイン]
語り手 :
OK
コストどぞ
[メイン] system : [ 岬明乃 ] ふしぎ : 25 → 19
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン]
酒井ほのか :
─────ほのかの胸中には、押し迫る不安の塊ばかりがあった。
表面上は平然としているものの。生きていくこの先に、光が見えなかった。
全ては……"家族"のため。
この酒井牛乳店は、代々継がれてきたものであるため、存続しなければならないのだが、売れ行きはどうやら乏しいようだ。
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 岬明乃 : 「にゃ~~……」
[メイン] 岬明乃 : 心を覗いてみてわかったのは、彼女の不安
[メイン] 岬明乃 : 「(家族のため、かぁ……)」
[メイン]
岬明乃 :
幼い頃に家族を失った猫としては、その尽力を応援したいと思った
でも、まだどうすればいいかはわからない。この店を繁盛させれば解決しそうではあるが…
[メイン] 博麗霊夢 : (…とりあえずもう少しほのかについて調べてもいいんじゃない?)
[メイン] 博麗霊夢 : (コイツ、テコでも動かなさそ~だし)
[メイン] 岬明乃 : 「にゃ(そうだね)」
[メイン] 岬明乃 : 「(やることが決まったら…早速行こう!)」
[メイン] 岬明乃 : とことこ店の外へ
[メイン] 岬明乃 : 最後に名残惜しそうに、心配そうにほのかに振り向いた
[メイン] 博麗霊夢 : 「じゃ、私も失礼するわね~」
[メイン] 博麗霊夢 : 「あ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「博麗霊夢!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「覚えてもいいし、覚えなくてもいいわ」
[メイン] 酒井ほのか : 「………!」
[メイン] 酒井ほのか : 「博麗、霊夢さん……はい、確かに覚えました!」
[メイン] 博麗霊夢 : 去り際に、思い出したように自らの名告げを告げ
[メイン] 酒井ほのか : にこりと笑って、そして振り向く岬にも手を振って。
[メイン] 酒井ほのか : ─────どこか、寂しげに。
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] system : [ 岬明乃 ] 夢 : 5 → 190
[メイン] system : [ ゾロリ ] ふしぎ : 37 → 57
[メイン] system : [ 岬明乃 ] ふしぎ : 19 → 38
[メイン] system : [ ゾロリ ] 想い : 14 → 34
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] 夢 : 0 → 180
[メイン] system : [ 岬明乃 ] 想い : 25 → 44
[メイン] system : [ 岬明乃 ] 夢 : 190 → 0
[メイン] system : [ 博麗霊夢 ] 夢 : 180 → 185
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] ふしぎ : 25 → 45
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] 想い : 19 → 36
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] 夢 : 185 → 0
[メイン] 岬明乃 : 場面『酒井ほのかのウワサ』 場所:街中 時間:昼
[メイン]
岬明乃 :
店を出てしばらく歩いた路地裏
そこに一人で入った明乃は、しばらくして…
[メイン] system : [ 岬明乃 ] ふしぎ : 38 → 34
[メイン]
岬明乃 :
「遅くなってごめーん!」
人間態に変化して現れた
[メイン] 博麗霊夢 : 「おっと」
[メイン] 岬明乃 : 「よし、これで私もニンゲンに話を聞けるね」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「お疲れ様です、猫の時間は終わりですか」
[メイン] 岬明乃 : 「ニンゲンは街にいっぱいいるもんね、調べごとをするなら頭数は居たほうがいいって樫見様が言ってたよ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「あ~確かにそんなコト言ってたわね…」
[メイン] 博麗霊夢 : 「じゃ、早速調べてみる?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「酒井ほのか…について?」
[メイン]
岬明乃 :
「そうそう、家族に何かあるみたいだからね」
「あとは…なんであんな美味しい牛乳が売れないか、とか!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「家族…」
[メイン] 博麗霊夢 : 「というかあの店、ほのかしか居なくなかった???」
[メイン] 岬明乃 : 「そういえば…」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ほのかの後に来たガキンチョの姿も見えなかったし…(そもそもあればニンゲンか定かじゃないけど)」
[メイン] 博麗霊夢 : 「まずはそこを調べてみよっか」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「確かに…男手が全くないというのも不思議ですね」
[メイン] 岬明乃 : 「うん、荷物も重そうだったのに一人だけっていうのはオカシイ…」
[メイン]
原ゆたか(ゾロリ) :
「近所の人達にそれとなく探って見ましょうか
ヘンな家庭ならそれこそ噂のひとつでもあるでしょうし」
[メイン] 岬明乃 : 「そうだね!行こう!」
[メイン]
博麗霊夢 :
というわけで町の人に聞くぞォ~~~!
判定プリーズ
[メイン] 語り手 : OK
[メイン] 語り手 : まずは、何について聞く?調べる?
[メイン]
博麗霊夢 :
酒井ほのかの家族について
ついでに酒井牛乳について
[メイン] 語り手 : OK、ではそれらまとめて、おとな判定4
[メイン] 博麗霊夢 : (意味深におとな1)
[メイン] ゾロリ : 1d0+4>=4 【おとな】判定 (1D0+4>=4) > 0[0]+4 > 4 > 成功
[メイン] 岬明乃 : !
[メイン] 博麗霊夢 : !!
[メイン] 語り手 : 成功だァ~~~~~~~~~~!!!
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 子供に大人気の原作者は格が違う
[メイン] 博麗霊夢 : 流石原ゆたか先生だ…
[メイン] 岬明乃 : さすがだァ…!
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
・酒井牛乳店について
この街で昔から続いてきた、牧畜農家を厳選し、新鮮でまろやかな牛乳を飲めることで有名だったお店。
しかし現在は、父親が死去し、母親も病に伏していることもあり、縮小していっている。
また、酒井一家についてだが、一時期ほのかはこの街で見かけることは無かったそうだ。
その時、店を継いでいたのが弟である「ゆき」という少年であった。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : ゆきとほのかについてそれぞれ調べますよ 来い
[メイン] 語り手 : OK、では~~~~~~……
[メイン]
語り手 :
ほのかは、おとな判定5
ゆきは……6かな?
[メイン] 博麗霊夢 : 原先生頼む~~~!
[メイン]
ゾロリ :
わかった
想いを3使うぜ
[メイン] system : [ ゾロリ ] 想い : 34 → 31
[メイン] 岬明乃 : 原先生の大人力は格が違う
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
・酒井ほのかについて
一時ほのかは、"夢"のために、街を出ていた。
というのも、ほのかが小さい頃はよく、中古のギターを手にして、夏祭り等の際には無理を言って舞台に上がっては演奏をよくしていただとか。
ほのかは、音楽に対する情熱が強く、噂によれば都会でも、小さく成功を積み重ねていっていたとか。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : ・酒井ゆきについて
[メイン] 語り手 :
[メイン]
男の子 :
「こんにちは、皆さん」
にこりと、笑う少年が、そこに立っていた。
[メイン] 博麗霊夢 : 「…!?」
[メイン] 岬明乃 : 「わっ!?」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「だ、誰だい君は…!?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「アンタ…へんげね!!」
[メイン] 博麗霊夢 : 思わず戦闘態勢をとろうとする
[メイン] 男の子 : 「おっとっと!いきなり現れちゃうと驚いちゃうよね、ごめんごめん」
[メイン] 男の子 : 「僕の名前は」
[メイン] 博麗霊夢 : 「…………」
[メイン]
酒井ゆき :
「─────酒井ゆき」
霊夢の方を向いて、にこりと笑って。
[メイン] 博麗霊夢 : 「アンタが…」
[メイン] 酒井ゆき : 「さっきのお願い、聞いてくれてありがとうございます」
[メイン] 博麗霊夢 : 「…”ほのかお姉ちゃんの夢”について教えなさい」
[メイン] 博麗霊夢 : 「牛乳屋を繁盛させることじゃ…ないんじゃない?」
[メイン]
博麗霊夢 :
私にはギターというものはよく分からないけれど
彼女がそれに心血を注いでいたことは調べがついている
ならば…
[メイン]
酒井ゆき :
「正解です」
困ったように笑いながら。その面影は、姉とそっくりです。
[メイン] 酒井ゆき : 「……と言っても、僕がいけないんですけどね……こうなってしまったのは」
[メイン] 酒井ゆき : 「見てください、これ」
[メイン] 酒井ゆき : そう言い、少年は自分の足元を指差す。
[メイン] 岬明乃 : それにつられて視線を落とす
[メイン] 博麗霊夢 : 素直に下を見る
[メイン] 酒井ゆき : ─────足元が、薄れていた。その向こう側の景色がぼんやりと見える程度に。
[メイン] 博麗霊夢 : 「ああ…」
[メイン]
博麗霊夢 :
「死にぞこないか~」
相変わらずのデリカシーの無さである
[メイン]
酒井ゆき :
「あ、あはははは~……自分で言いたくはなかったので、助かりましたよ……」
汗を浮かべながら。
[メイン] 岬明乃 : 「死にぞこない…ってことは…」
[メイン] 酒井ゆき : こくりと、岬の言葉に頷いて。
[メイン] 酒井ゆき : 「……僕がちゃんとお店を継ぐことができれば、きっとほのかお姉ちゃんは今も、"夢"を追い続けることができた」
[メイン] 酒井ゆき : 「事故にさえ、遭わなければ」
[メイン] 酒井ゆき : 「……それが未練で、悔しくて、だから……ここにいるのかもしれませんね」
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
・酒井ゆきについて
交通事故によって、既に死亡している。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 博麗霊夢 : (う~~~~~~~~~ん)
[メイン] 博麗霊夢 : (まずいわね…)
[メイン] 博麗霊夢 : 「一応聞いとくけど他に親戚は居ないの?」
[メイン]
酒井ゆき :
「……残念ながら」
首を横に振る。
[メイン] 岬明乃 : 「そっか…」
[メイン] 博麗霊夢 : 「……はぁ~~~~~~~~~~~~~」
[メイン] 博麗霊夢 : 深く、深く長嘆息し
[メイン] 博麗霊夢 : 「これ言っちゃっていい?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「流行んないと思うわよ?あのお店」
[メイン] 博麗霊夢 : 「宣伝はまあ、してあげてもいいんだけど」
[メイン] 酒井ゆき : 「あ、あはははは……ですよねぇ」
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「まああの神社の経営状況からみて期待は出来ないですよね」
[メイン] 博麗霊夢 : 「このままあの子一人で働き続けたら身体ぶっ壊れるのが先だし」
[メイン] 酒井ゆき : 「僕もまぁ……その、経営者任されてたので、調査は色々としていたんですよ」
[メイン] 酒井ゆき : 「結局輸入品の方が、買い手は多いんです、国産牛乳はブランドとしての価値があったとしても……」
[メイン]
博麗霊夢 :
「だったらさ、あの子にさっさと諦めさせれば?」
霊夢にはまだ分からない
彼女の実家を護りたい、店を存続させたという想いが
[メイン] 酒井ゆき : 霊夢の言葉に、頭を掻きながら。
[メイン] 酒井ゆき : 「………罪の意識」
[メイン] 酒井ゆき : 「それは、僕だけじゃないんですね」
[メイン]
酒井ゆき :
そう言い、少年は遠くを見るように。
その先には、酒井牛乳店がある場所で。
[メイン] 原ゆたか(ゾロリ) : 「罪…ですか?」
[メイン] 酒井ゆき : こくりと、頷いて。
[メイン] 酒井ゆき : 「ワガママ言って、飛び出していきましたからね、ほのかお姉ちゃんは、あはは、僕はらしくてそういうところが好きなんですけど」
[メイン] 酒井ゆき : 「でもそれと同時に……姉、だからなんですかね」
[メイン] 酒井ゆき : 「責任感も、強くて、大きくなったら自分達の牛乳を支援したいって、広めたいって、そう息巻いてたんですよ」
[メイン] 酒井ゆき : 少年は、楽しそうに語っていた。
[メイン] 酒井ゆき : 「だからこそ、なんですかね…… ……情けないことに、こんな結果になっちゃったものですから」
[メイン] 酒井ゆき : 「……自分が出て行かなければって、ずっと考えているみたいで ……本当は、そんなこと無いんですけどね」
[メイン] 博麗霊夢 : 「…………」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ごめん…ちょっと言い過ぎた」
[メイン] 酒井ゆき : 首を横に振って、にこりと笑う。
[メイン] 博麗霊夢 : 「言葉悪かったかも…」
[メイン] 酒井ゆき : 「いえ、いいんです、だって……」
[メイン] 酒井ゆき : 「皆さんがこうして、僕の願いを叶えようとしてくれるだけで、本当に嬉しくて……」
[メイン] 酒井ゆき : 「逆に、聞きたいくらいなんです」
[メイン] 酒井ゆき : 「……支払ったお金は、ごめんなさい、正直少ないと思います」
[メイン] 酒井ゆき : 「それでもどうして皆さんは、僕の願いを、そして……」
[メイン] 酒井ゆき : 「……ほのかお姉ちゃんのことを?」
[メイン] 酒井ゆき : それは、少年の単純な好奇心であった。
[メイン]
酒井ゆき :
少年から見れば、霊夢達は無償で、支払ったものに対して、なすことが大きく。
天秤で測れば、このお願いは、損することが多いかもしれないものであった。
それは、肉体労働としても、そして……精神面でも。
[メイン] 酒井ゆき : それでもこうして関わってきてくれることに感謝をしつつも、どうして本気になってくれるのか、知りたかった。
[メイン] 博麗霊夢 : 「うん?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「だってあなたたち、ちゃんとお賽銭入れて、お願いしたじゃない」
[メイン]
酒井ゆき :
「! え、ええ、しました……けど、僅かばかりで……」
少し申し訳なさげに。
[メイン] 博麗霊夢 : 「これでもあの神社の巫女目指してるからね。あと、賽銭は金額なんて関係無いのよ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「困っている人間が居るなら、ささやかなお手伝いをしてあげること……樫見からの教えだし」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ゾロリと明乃はどう?」
[メイン] 岬明乃 : 「私は…最初はただの興味本位でだったけど…」
[メイン] 岬明乃 : 「ほのかが頑張ってるのが家族のためって聞いたら、なんだか気になっちゃって」
[メイン] 岬明乃 : 「私は親がいなかったから、家族のためってどんな感じなんだろうってさ」
[メイン]
酒井ゆき :
「…………!」
目を見開いて。
[メイン] 岬明乃 : 「だから…ほのかの行く末が気になる!そしてもちろん、良い方になって欲しい!」
[メイン]
岬明乃 :
「ま、そんな感じだねー。ゾロリは?」
[メイン]
ゾロリ :
「俺様か…説明する必要あるか?」
いつの間にか変身を解いている
[メイン]
ゾロリ :
「男なら女の子のお願いは、無条件で聞いてあげるもんだぜ」
「って言いたいところだが…」
[メイン]
ゾロリ :
「そりゃ動機の1つとして俺様は女が好きだけどよ、それだけが全てじゃないんだぜ」
「結局のところ、”やりたいことをやってる”んだ」
[メイン] ゾロリ : 「オマエは姉ちゃんをどうにかしてあげたくて頼んできた…俺様は何とかしてあげたいから今こうしてる…理由なんて考える必要ないんじゃねェか?」
[メイン] ゾロリ : 「だから俺様は…お前のねーちゃんにも”やりたいこと”をやらせようと思ってる…みんなはどうだ?」
[メイン] 酒井ゆき : 「……………!!!!!!!」
[メイン]
酒井ゆき :
その言葉に、感極まり、少年はグッと堪える。
潤む瞳が。たとえ零れることのない幽体の涙だとしても。
[メイン] 岬明乃 : 「そうだねぇ…やりたいことか、家族のためか……」
[メイン] 博麗霊夢 : 「家族…うーんそうねェ…」
[メイン] 岬明乃 : 「うーん、そうだね…私もほのかのやりたいことをやって欲しいな」
[メイン]
博麗霊夢 :
「家族…家族…」
しばらく思案する。出会ったばかりの私たちが説得してほのかは応えるだろうか?
[メイン]
岬明乃 :
家族のため、それがどれほど重いのか
それがわからない猫だから、やりたいことを優先すべきだと考える
[メイン] 岬明乃 : 「だって、やりたいことできないのは悲しいもんね」
[メイン]
ゾロリ :
「ま、そーいうワケだ
俺様には俺様のやりたいことがある、そして俺様にはそれを実行できる。ならやるしかないだろ!止まる理由なんてないんだからな!!」
びしっと指を突きつけキメる
[メイン] 酒井ゆき : 目尻を指で押さえつけ、上を向きながらも、頷くように首を縦に動かして。
[メイン] 酒井ゆき : 「……ありがとう、ございますっ……!!」
[メイン] 酒井ゆき : 「………お姉ちゃんの、ほのかお姉ちゃんの夢をっ……どうか……!」
[メイン] 酒井ゆき : 「僕の代わりに、叶えてください…………!!!」
[メイン] ゾロリ : 「言えたじゃねェか…今度は俺様の耳にも届いたぜ、きょうだい」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ええ、確かに承った!」
[メイン] 岬明乃 : 「わかった!任せてよ!」
[メイン] ゾロリ : 「そうと決まれば善はなんとやらだぜ!さっさと薄幸少女の背中を押してやるとするか」
[メイン] 博麗霊夢 : 「…案はあるの?」
[メイン] 岬明乃 : 「ほのかは聞いてくれるかな…?」
[メイン] ゾロリ : 「あん?案って…ああそういう事か…」
[メイン]
ゾロリ :
「音楽やりたい気持ちは確かにあるんだろ?じゃあその想いをひと押ししてやればいいんじゃないのか」
(意味深におつげ)
[メイン] 博麗霊夢 : 「なるほど…」
[メイン]
博麗霊夢 :
「……そういえばアンタらの母親って今どこにいるの?」
ゆきに聞く
[メイン] 酒井ゆき : その問いに、ゆきは血の通っていない腕で、遠くを指差す。
[メイン] 酒井ゆき : 「丘ノ上病院……そこに、僕らのお母さんはいます」
[メイン] 酒井ゆき : その表情は少し、悲しげで、寂しげで。
[メイン]
岬明乃 :
「お母さんに何か聞くの?」
霊夢に尋ねる
[メイン] 博麗霊夢 : 「いや…ほら」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ほのかの背中を後押しするのなら、それは店を…一時的とはいえ諦めることでしょ?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「…お話させてあげるべきかなって」
[メイン]
岬明乃 :
「そっか…そうだね」
「お母さんのために今まで頑張ってたんだもんね」
ほのかの最後の家族に思いを馳せて
[メイン]
酒井ゆき :
「…………」
こくりと頷く。複雑そうな表情で。
[メイン] 博麗霊夢 : 「打算的だけど…説得のきっかけにもなるかも。…逆に引き留められる可能性もあるけどねー」
[メイン]
酒井ゆき :
「……ぷっ」
霊夢の言葉に吹き出して。
[メイン]
酒井ゆき :
「……あなたって本当に、開けっ広げな性格なんですね」
楽しそうに、微笑みながら。
[メイン] 博麗霊夢 : 「そう?」
[メイン] 酒井ゆき : 「ある意味素直な性格ってことなので、僕は良いと思いますよ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「??? まー誉め言葉として受け取っておくわ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「ヨシ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「酒井ほのかの夢を、後押しするわよ!」
[メイン] 博麗霊夢 : 「二人とも船乗れェ!」
[メイン] ゾロリ : 「よっしゃア!」
[メイン] 岬明乃 : 「よーそろー!」
[メイン]
博麗霊夢 :
こうして3匹のへんげは決意新たに
依頼人の願いを叶えるための作戦を決行するのだった…!
[メイン] 博麗霊夢 :
[メイン] 博麗霊夢 :
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] ふしぎ : 45 → 75
[雑談] system : [ 博麗霊夢 ] 想い : 36 → 66
[メイン] system : [ 岬明乃 ] ふしぎ : 34 → 54
[メイン] system : [ 岬明乃 ] 想い : 44 → 64
[メイン] system : [ 岬明乃 ] ふしぎ : 54 → 73
[メイン] system : [ 岬明乃 ] ふしぎ : 73 → 64
[メイン] 岬明乃 : :想い+!0
[メイン] system : [ 岬明乃 ] 想い : 64 → 74
[メイン] ゾロリ : 🌈
[メイン] 岬明乃 :
[メイン] 岬明乃 : 場面『お母さんってどんな人?』 場所:丘ノ上病院 時間:夕方
[メイン]
岬明乃 :
丘ノ上病院のとある病室。
換気のために少し開けられた窓から
[メイン] 岬明乃 : ひょこっと1匹の猫が顔を覗かせる
[メイン] 岬明乃 : 「(お母さんは…寝てるみたいだね)」
[メイン] 岬明乃 : 病室の中を確認すると、するりと狭い窓の隙間を抜けて中に入り
[メイン] system : [ 岬明乃 ] ふしぎ : 64 → 60
[メイン] 岬明乃 : 「……よっと」
[メイン]
語り手 :
時刻は夕方。窓辺の向こうの景色はすっかり茜色一色であり。
そして、病室内は無菌状態で、自然の中にいた岬にとっては、ある意味で異質な空間でもあり。
[メイン]
岬明乃 :
「なんだか落ち着かないなぁ…」
そんなことを呟きつつ人間態になり、ベッドの横に立って
[メイン]
岬明乃 :
「間違ってなければほのかのお母さんのはず…」
と顔を覗き込む
[メイン] 老婆 : そこには、点滴を腕に付けた、しわがれた顔の老婆が眠っており。
[メイン] 老婆 : 「……………んん……?」
[メイン] 老婆 : 岬の気配に気が付いたのか、顔をゆっくりと向けて。
[メイン] 老婆 : 「……どちら様ですかい~?」
[メイン] 岬明乃 : 「あ、こんにちは!私は岬明乃って言います!」
[メイン] 岬明乃 : 「ほのかさんの…えーっと…知り合い、です」
[メイン] 老婆 : 「おやおやまぁそうだったのかい、ふふふ」
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老婆 :
「それは失礼しました、いつも娘がお世話になっています~」
皺くちゃな顔立ちで、にこりと笑う。
[メイン] 岬明乃 : 「いえいえこちらこそ。お店の牛乳をもらって、すごい美味しかったもので」
[メイン] 老婆 : 「おやっ……!ふふふ、うちの牛乳、飲んでくれたんだねぇ、それは嬉しいねぇ……」
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老婆 :
「……うちの旦那がね、こだわりが強くて強くて、ふふふ、懐かしいねぇ」
天井を見上げるように、懐かしむように。
[メイン] 岬明乃 : 「……なるほど、ほのかさんのお父さんが…」
[メイン] 岬明乃 : それで、ほのかは牛乳屋を継がないとって思ってるのかなぁ…
[メイン] 岬明乃 : 「やっぱり、お母さんにとってもあのお店は大事なものなんですね」
[メイン] 老婆 : 「ん~~……そうだねぇ……私にとっては、思い出の詰まった場所だねぇ……掛け替えのない、私にとっての……きっと、旦那にとっても……宝箱」
[メイン] 老婆 : そう言いながらも、首を傾けて、岬の方を向いて。
[メイン]
老婆 :
「……でも、分かっているよ、岬ちゃん、あなたが来た理由は、私もまだ年老いちゃあいないんだ、わかるよ」
にこりと、微笑んで。
[メイン] 老婆 : 「……ほのかのこと、でしょう?」
[メイン] 岬明乃 : 「…あはは、バレてたか…」
[メイン] 老婆 : ふっふっふっふ~、と楽しそうに笑う。
[メイン]
岬明乃 :
「そうです、ほのかさんが”本当にやりたいこと”の話を聞いて…」
「私は、ほのかさんにそれをやって欲しいと思って、お母さんにも話に来たんです」
[メイン] 老婆 : うん、うん、と岬の話を聞いて、頷いて。
[メイン] 岬明乃 : 「でも…お母さんがどれだけあのお店を大事にしてるかわかって……なんだか自信が無くなって来ました」
[メイン] 岬明乃 : 「お母さんはほのかさんが今でもギターをやりたいと思っていること、知ってましたか?」
[メイン] 老婆 : 「ふっふっふ、そりゃあもちろんだよ~」
[メイン] 老婆 : 「ほのかが上京するの認めなかったなら、ほのかはずっとこの街にいたんだしねぇ」
[メイン] 老婆 : 「……岬ちゃん、親っていうのはね……」
[メイン] 老婆 : 「子どもに、いっぱい幸せになってほしいの、楽しいことをたっくさん経験してほしいの、そして……見つけてほしいの」
[メイン] 老婆 : 「私と旦那で磨き上げて、走ってきた頃の、キラキラした思い出のように、ほのかにとっての大切で、大事なひと時を」
[メイン] 老婆 : 「だから私は言ったんだけどねぇ……戻る必要なんて無いって」
[メイン] 老婆 : 「酒井牛乳は、もう閉めることにしたって」
[メイン] 岬明乃 : 「………そう、だったんですか…」
[メイン]
老婆 :
「……ふふ、本当に頑固よねぇ?誰に似たのかしら」
岬の方を見て、小さく笑いながら。
[メイン] 岬明乃 : 「お母さんは、ほのかさんのやりたいことを応援してて…ほのかさんは、お母さんの宝物を失くしたくなくて…」
[メイン]
岬明乃 :
頭がくらくらしてきた
2人とも、互いのことを一番大切に扱ってて
[メイン] 岬明乃 : 「なんだか難しいですね、家族って」
[メイン] 岬明乃 : 「でも、二人の思いの大きさは…私にも何となくわかりました」
[メイン] 老婆 : にこりと笑って、ゆっくりと頷いて。
[メイン] 老婆 : 「うん、家族は、どんな関係よりも、難しいねぇ、でも、だからこそ……」
[メイン] 老婆 : 「がんじがらめな関係だからこそ……」
[メイン] 老婆 : 「結びつきがその分、強くなるのかもねぇ?」
[メイン] 老婆 : 「固結びした紐みたいに」
[メイン] 岬明乃 : 「なるほど…結びつき、ですか…」
[メイン]
岬明乃 :
「うーん…」
そう言ってしばらく黙って悩み込む
[メイン] 岬明乃 : そして、顔を上げて
[メイン] 岬明乃 : 「お母さん、ほのかさんにもう一度ギターをやって欲しいってお話、してもらえませんか?」
[メイン] 老婆 : にこりと、笑って。
[メイン] 老婆 : 「ふふふ、何か思いついたみたいだねぇ」
[メイン] 老婆 : そして快諾するように、ゆっくりと頷いて。
[メイン]
老婆 :
「………懐かしいねぇ」
天井を見上げて。
[メイン] 老婆 : 「私もねぇ、旦那と昔……酒井牛乳でねぇ、苦難があったときにねぇ……ふふ」
[メイン] 老婆 : 「ふと、助けてくれた子どもがいてねぇ……」
[メイン] 老婆 : 「とっても、不思議な出会いだったよ……」
[メイン] 老婆 : そして、改めて岬を見て。
[メイン] 老婆 : 「……ふふ、こっちの話さ、ごめんなさいねぇ」
[メイン] 岬明乃 : 「い、いえいえ…」
[メイン]
岬明乃 :
まさか…まさかね
ちょっと正体を見透かされたような気がして、焦ったけど…
[メイン] 岬明乃 : 「…ありがとうございます!近いうちにほのかさんを連れて来るので、よろしくお願いします!」
[メイン] 老婆 : こくりと頷いて、ゆっくりと岬に手を振る。
[メイン] 岬明乃 : 小さく手を振りながら、病室のドアから廊下へ出る
[メイン] 老婆 : そして、ぽすりと枕に頭を置いて。
[メイン] 老婆 : 「………ふふふ、やっぱりまだ、死ぬわけにはいかないねぇ」
[メイン] 老婆 : 「こうしてまた、巡り合えたんだ、この年で」
[メイン] 老婆 : 「─────"不思議な出会い"に」
[メイン] 老婆 :
[メイン] 老婆 :
[メイン] 老婆 :
[メイン] 博麗霊夢 : 場面『おみおくり』 場所:町 時間:夕方
[メイン]
博麗霊夢 :
私たちは妖怪変化で
ニンゲンたちの夢の中に現れる程度はたやすい
[メイン]
博麗霊夢 :
酒井ほのか。
彼女の夢に介入し、翌朝病院へ向かわせることは容易だった。
[メイン] 博麗霊夢 : 大事にしまっていたであろうギターを引っ張り出し、山の方へ走り去っていくほのかを…
[メイン] 博麗霊夢 : 私とゾロリは見送っていた
[メイン] 博麗霊夢 : 「……うまくいくといいわねェ」
[メイン] 博麗霊夢 : 隣に居るゾロリに話しかける
[メイン]
ゾロリ :
「いくだろ?何言ってるんだ」
さも当然のように
[メイン] 博麗霊夢 : 「はぁん…」
[メイン] 博麗霊夢 : 「…会った事もないニンゲンの母親のこと、どうしてそんなに信じられるの?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「やっぱり、私たちも病院へ行ってサポートした方が良いんじゃ…」
[メイン] ゾロリ : 「母親だから…だろうなァ」
[メイン]
ゾロリ :
「親ってのは…いつでも子供を1番に思って行動するもんだと俺様は思ってる」
[メイン]
ゾロリ :
「いや、俺様が我儘坊やだったとか言うわけじゃなくてな?」
「実際に俺様のママがこんな感じだった」
[メイン] 博麗霊夢 : 「へ~!(そーいやコイツの親の話、聞いたことなかったわ…)」
[メイン] ゾロリ : 「しかしその心配用…博麗は親について何か思うことがあるのか?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「私~?」
[メイン] 博麗霊夢 : 「親なんて会ったこと無いし」
[メイン] 博麗霊夢 : 「こちとら物心ついたころにはあの神社で樫見の世話になってたわよ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「だから、親というものが子に対してどういう想いを抱いてるかなんてわかんないわよ」
[メイン] ゾロリ : 「あー…そうだったか」
[メイン] ゾロリ : 「所で…里親って、知ってるか?」
[メイン]
ゾロリ :
「分からないなら、いっぺん樫見さんに聞いてみるといいぜ」
[メイン] 博麗霊夢 : 「???」
[メイン] 博麗霊夢 : 「なんか聴いたことあるよーな…」
[メイン] ゾロリ : 「聞けば思い出すかもな?…ああ、それと『私の事どう思ってる?』って先に聞くのも忘れずにな」
[メイン] 博麗霊夢 : 「う、うん。わかった」
[メイン] 博麗霊夢 : 「……ンマー……とにかく」
[メイン] 博麗霊夢 : 「アンタの言う事が確かなら、きっと酒井ほのかも問題はないわね」
[メイン] 博麗霊夢 : 「夢を追えるようになる」
[メイン] ゾロリ : 「ああ。」
[メイン] 博麗霊夢 : 「…………こういう解決方法もあるのね~」
[メイン] 博麗霊夢 : 今回の依頼は、私にとっては新しい視点をいくつか得る事ができた
[メイン] 博麗霊夢 : きっと今後の役にも立つだろう
[メイン] 博麗霊夢 : …帰ったら、樫見にさとおやのこと、聞いてみようっと
[メイン] 博麗霊夢 : 「今回はありがとね、ゾロリ!」
[メイン] 博麗霊夢 : 隣の彼に向き直り、ニコリと微笑む
[メイン]
ゾロリ :
「…!」
突然来た霊夢のデレ期に動揺しつつも
「お易い御用だぜ!お礼と言っちゃあなんだがこの後お食事でも━━━━━
[メイン] ゾロリ :
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 酒井ほのか : 場面『親と、子』 場所:病室 時間:夜
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 酒井ほのか : 「お母さんッ………!!私、やっぱり………」
[メイン] 酒井ほのか : 「………………………」
[メイン] 酒井ほのか : 「……やっぱり……… ……ううん、やっぱり、なんでも……」
[メイン] 酒井ほのか : 「……………え?」
[メイン] 酒井ほのか : 「……………」
[メイン] 酒井ほのか : 「……だから、だよ………」
[メイン] 酒井ほのか : 「いづもっ……そうい゛うっ……!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「そんな゛っ……!!優しくする、か゛ら………!!わた゛しっ………!!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「それに゛っ……!!!私のっ……!!せいで……………!!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「…………っっっっ……!!!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「……うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいっっ!!!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「だってっ!だって……!!だってぇ………!!!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「わたしが、音楽っ……!やろうって、思ったの、はっ……!!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「お母さんがっ……ゆきが……!!……喜んで、くれた、からっ……!!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「だか、らっ……………!!」
[メイン] 酒井ほのか : 「……………………………」
[メイン] 酒井ほのか : 「………ひっぐっ………ぐずっ………!」
[メイン] 酒井ほのか : 「………かなしいこと、言わない、でっ………」
[メイン] 酒井ほのか : 「…………………お母さんにとって、そうでもっ……私にとっても……おもい、で……だから……!」
[メイン] 酒井ほのか : 「…………………………………………………………………」
[メイン] 酒井ほのか : 「………………………………………………………」
[メイン] 酒井ほのか : 「……………………………………………」
[メイン] 酒井ほのか : 「………うわあぁぁあああぁぁああぁぁあああぁぁあああぁぁあぁああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン] 酒井ほのか :
[メイン]
語り手 :
─────夏の日差しが肌を擦り差す時期がまだ続く頃。
この街で毎年開催される祭りの舞台に。
[メイン] 語り手 : 一人のギタリストが、壇上に上がっただとか。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 酒井ゆき : 「……………………………ふふ」
[メイン] 酒井ゆき : 「…………これで、良かったんだ」
[メイン] 酒井ゆき : 「……たとえ、僕達の住んでいた家が、無くなっちゃったしても」
[メイン] 酒井ゆき : 「僕達が生きてきた軌跡だけは、決して消えないから」
[メイン] 酒井ゆき : 「頑張れ、ほのかお姉ちゃん」
[メイン] 酒井ゆき : 「応援してるよ、ビッグになって、みんなにお姉ちゃんのギターの上手さ、知らしめちゃえ」
[メイン] 酒井ゆき : 「………それと、"みんな"」
[メイン] 酒井ゆき : 本当に、ありがとう。
[メイン] 酒井ゆき : 君達がいなかったら、きっと僕も、お姉ちゃんも、お母さんも、ずっと、ずっと、このままだった。
[メイン] 酒井ゆき : ただ迎える日々を過ごすだけ過ごしていって、そして……。
[メイン] 酒井ゆき : ……うん、きっとやがて、無理が来て……。
[メイン] 酒井ゆき : そんな、最悪な未来を変えることができたのは、君達のおかげ以外の、何があるだろうか?
[メイン] 酒井ゆき : ……お礼が足りないことが、僕にとっての心残りではあるけど。
[メイン] 酒井ゆき : ……僕は、もうここに縛られなくなっちゃったから。
[メイン] 酒井ゆき : ……じゃあね。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :